昔ながらの黒豆味噌仕込み

2月末は味噌仕込み。「大豆教室」に参加しているほとんどの人が楽しみにしていた自家用味噌づくり。丹波黒豆大豆と塩、米麹で仕込みます。

 今年はみんなでひとつに樽に仕込むので、大豆12キロ、麹12キロ、塩5.4キロ使います。

 

大豆は11月初めに収穫してカラカラに乾くまで天日干しした後、脱穀。さらに味噌用に虫食いや欠けのない豆をひと粒ひと粒、手で選別しました! この作業は手間ひまかかるのですが、おいしい自家用味噌をつくるには欠かせない工程。収穫量、つくりたい味噌の量によって殻を剥く量が違うので、作業時間もそれぞれ。

「家族総出でやったよ」「わたしは徹夜!」(笑)という人など、いろいろです。

 

「秋に収穫したのに、なぜ冬の終わりに仕込むの?」との質問に、「味噌は暑い時期にもできるけど、春にむけて暖かくなる今ごろに仕込むと、麹もゆっくり活動しはじめ、味に深みが出るんです」と田中理事長。

「きちんと意味があるんやなあ」とみんなの頷きも深い!

「日本には1000通りものつくりかたがありますが、寒仕込みが『つちの塾』のつくりかた」なんですって。自分で素材をつくって自分流で仕込む! まさに家庭の味ですね ♪

各自で選別した豆を集めて仕込む前に一昼夜、塾のハウスで水に浸しておきました(写真左)。そして当日、倍の大きさに膨らんだ豆を炊いていきます(写真右)

豆を炊いている間に、米麹と塩を混ぜ合わせておきます。すべての米粒に麹がくっつくように、これも丁寧かつ手早く。麹の甘いほんわりした香りに思わず歓声が。おまけに手もツルツルになってきた!?

コトコト炊いている間、浮き出てきた灰汁を取り除きます。甘い香りが調理場に広がって、ついつい摘み食い(笑) 「めっちゃ甘~い」の声につられて、鍋の周りは人だかり。そうこうしているうちに炊きあがった豆はぷっくりつやつや♡ おいしい味噌になるに違いありません!

ここから豆を潰して米麹と合わせていきます。十数人分の豆を手や足で潰すのはかなりの時間を要するので、今回は機械を使用。交代で豆を機械に入れ、ゆっくり丁寧に潰していきます。

豆が潰れたら、さきほど塩を混ぜた麹と合わせます。豆はまだ熱いのですが、「手早く、しっかり混ぜてよ~」と、理事長、畑の先輩に激励され、熱いっ(;'∀')と漏らしながら頑張りましたー。 

麹と豆を混ぜ合わせたら、ボール状に丸めて樽に仕込んでいきます。

丸めた味噌玉を樽に移していく作業。「エイッー‼」「ヤーッ‼」と思い切り樽に投げつけていきます。こうして空気を抜いているのです。バンッバンッと樽に投げ込まれる音はなかなかの迫力です。

仕上げは味噌の表面を平らにしてたっぷりの塩で蓋をして、雑菌がはいらないようラップをかけ味噌蔵へ。「おいしくなってください」と祈りを込めて、1年後の出来上がりを待ちます。

味噌仕込み~おまけ~

半日がかりの仕込みを終えて、みんな帰り支度をはじめたとき、「ちょっと飲んでみて~」と、ベテランのmasakoさんが、黒大豆の煮汁に塩を少々加えてつくってくれました。

豆の風味と栄養が染み出た滋味あふれる飲み物は、絶妙な甘さと塩加減。

しかも、ひと口飲んだだけなのに、お腹の奥からポッカポカ。アントシアニン、イソフラボン♪ 女性は全員残りを持って帰りました~!

 

あとで解ったのですが、咳を鎮める作用もあるんですって。

季節の変わり目にちょうどよい飲み物でした。

『大豆教室』 種まきから味噌仕込みまでは、こんな感じです 。

「大豆教室」に参加したら、大豆エリアに各自の畑をつくります。一見広いですが、女性ひとりでやれます。おいしいもの、旬のものが食べたいから、これぐらいは頑張ります! (^o^)/ GUTS。

9月にはいると実がふっくら丸々としてきました。この枝豆が絶品で、「味噌用に残しておきたい、でも枝豆食べたい」と葛藤するのです(笑)。12月頭、晴れの日を待ってはざ掛けして数日間天日干し。カラカラに乾かします。そして冬本番になるとようやく脱穀作業に入ります。

1月、真冬の農閑期。大豆の殻を剥き、きれいな豆を選別して味噌仕込みに備えました。